久しぶりに
九谷焼美術館へ赴きました。ひとつは
九谷焼と山中塗の腕時計展を見るため。もうひとつは40年ぶりに復刊された名著「五色の九谷」を買求めるためでした。
著者の小納弘先生は私の小学生時代、担任教諭として教鞭をとられ、特に作文の時間は印象に残るものでたした。当時、寡黙で引きこもりがち、しかも、喋るのも作文も苦手(今でもそうですが)の私が、作文をさほど苦にしなくなったのも小納先生のお陰です。とはいえ、このサイトを見れば明らかなとおり、文章作法という点からは著しく正道を逸脱し、恩師にあわす顔がない、というのも正直な気持ちです。
絶版後も図書館で借り、こっそり
読書感想文もどきを書いてみたのですが、先日の地元CATVで復刊されたことを知り、驚きと喜びが入り混じった気持ちでした。映像やウエブの陰で、ただでさえ活字メディアが隅の方へ追いやられるご時世。復刊にはご本人はもちろん、関係者の色々なご苦労があったことは想像にかたくありません。この一冊は古九谷の名品と並べるに値する傑作です。