山中各地では秋の祭礼が開かれています。画像はその一つ、菅谷地区での例大祭のようす。山中温泉上流の山間地で開かれるこの祭礼は、しばしば「戸立て祭」との別名で呼ばれます。「今度の村祭には是非お立寄りを」という村人の話を正直構え、実際に訪れてみると、玄関には戸が立てられ中に入れない。すなわち、招待客をロックアウトする、という訳です。
土地の人々に真偽を尋ねても決して否定しないので、このエピソードはあながち捏造とは言い切れません。ただし、「京都のお茶漬け」を例に上げる村人もいます。通りすがりの方に、「上がってお茶漬けでも食べておくれやす」と誘われても、ここは「折角ですが」と遠慮するのが日本人の奥ゆかしさというもの。さらに、「我々は洗練された京文化の継承者だ。そもそも、平安期に都の落人が入村したのが村の発祥」 と、この方はまことしやかに力説するのですが、要は根性がひねくれている、というのが山中温泉住民の一致した意見です。