真のアーティストは才能と努力を積み重ねで生まれる。そのことばがまさにピッタリの針谷絹代さん。今ウルシアートの世界で、各界の注目を集めています。モダニズムと融合の融合が難しい、されてきた伝統工芸の世界。実験的な作品は数多くありますが、広く認められた例はめったにありません。
活動の拠点は多岐に渡り、地元でその作品に接することは稀です。先日加賀市のギャラリーで、コレクションを拝見する機会がありました。ギャラリーに入って驚愕。数の多さもさることながら、作品ひとつひとつを丹念に仕上げ、しかもイミテーションではない個性豊かなものばかりです。
この田舎町よりオートクチュールが似合いそうなのに、じっくり地元に腰を落ち着け、制作に励む毎日。その生き方に共感者が多いのも納得。
■ 作品展会場「ギャラリー萩(加賀市)」にて。2階のメイン・展示ルームには柔らかな秋の光が差し込んでいる。右側の女性が針谷絹代さん。会場を訪れるのは同業者や問屋関係の方ばかりだけでなく、一般の人々も多い。