●温泉はどこでも出る
「絈野教授のお陰やあ、うれっしゃあ~」 合併半年前、11号井から温泉が湧出した時の元町長の言です。地質学の大家である絈野教授(故人)はその地を指し、地下1500mまでに温泉が出ると予言したそうです。
しかし、加賀山中の近在では「どこを掘っても温泉は噴出する」というのが辻森博士の弁です。ただ、正確な熱源は特定しにくい。地表付近に湧出するのは大きな断層とのかかわりがあるように思える。九谷から山中を通り、山代、その先には片山津まで走っている。この断層に沿い、地表に温泉が湧き出ていた可能性は充分ありえる。ただ、白鷺が傷ついた脚を浸していたのは嘘だろう。まるで自殺行為だから。博士はそう分析します。
それより、恐らく日本のどこでも、地下深く掘りさえすれば温泉水脈に突き当たるだろう、というのです。確かに今や日本中温泉ブーム。でも、温泉場としての歴史にこそ価値があり、ブランド化されたとも言えます。今や世界の洋上で、どこでもズワイガニは獲れますが、堪能するのはやはりこの北陸で、と言うのと同じでしょう。