今日から神無月。この月にちなみ、神様はいないのでは・・と言う話。
私の知人であるT男は、人生のどん底にいます。その悲劇的状況を書き出すと、人物が特定されるので割愛するとして、当然ながら経済的困窮は目を覆う有様です。自己破産をするにも、その手続き進める経費すら捻出できません。
ところで、山中温泉でも新興宗教の布教は活発で、多くの入信者がいます。しかし、この男に関しては、まったく入会の誘いがありません。
「本当に困っている人を救済するのが宗教だろ? この世に真の神はいないのか」
「そうかな。教団が手を差伸べるのは
金の使い道に困っている人であって、
金に困っている奴は対象外じゃないかな。経済行為をともなう以上、その人の『困りごと』は商品勧誘のモチベーションにすぎない。無償で問題解決してくれるなんて、虫が良すぎるんじゃ?」
T男はため息をつき、そのままうなだれました。そういや、私のとこにも宗教の誘いなど、とんとないな。